ゆとりちよだNEWS

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N様からのご投稿, 最新情報 2012/12/03

ゆとりちよだNEWS No.93

 夜の街にはきらびやかなイリュミネーションが輝き、例年のごとき歳末風景が展開されています。
が、どうも、このイリュミネーションとゆうのが私は苦手なんです。
落ち込んでしまいます。なぜかわかりません。
イリュミネーションばかりではなく、夜景もダメなんです。
超高層ビルから眺める東京の夜景なんて人工美の極致なんぢゃないかとおもってしまう。
この世のものとはおもえないほどに美しい(この世そのものなんだけどね)。
闇の中に、白、赤、黄、緑、朱、紫・・・ありとある色彩を点じて明滅するネオンサイン。
スピードが出ているんだろうけど、高所から見る車のヘッドライトはゆっくりゆっくり列をなし、
テールランプは赤い帯となって漆黒の地平のかなたまでつづいている。そんな景色を眺めていると、
あきまへん。落ち込んできます・・・
アブナイ状態になりかけていましたら、ゆとりちよだ93号が到着しましたよ。
さあて、ゆとりちよだはポパイのホウレンソウになってくれるのでしょうか。

 まず、ご紹介するのは・・・「待ってました!」「ヨッ!にっぽんいち!!」。
すでにこのNEWSで何回もご案内しています、浅草ROX4階 コシダカシアターを常設館として
無期限ロングランをつづけている「浅草昭和歌謡 虎姫一座」であります。
ゆき、なお、しゅく、ゆうき、あゆみ、あきら、ともこ、あび、まみ。
9人の美男美女が織りなす夢の舞台。演目はふたつあります。
午前の部は、疲弊した戦後日本を力づけてくれたふたりの芸人、エノケンこと榎本健一、
そしてブギの女王・笠置シズ子のヒットソングを中心に歌いあげる
「エノケン・笠置のヒットソングレヴュー」です。
エノケンの「洒落男」、「月光価千金」、「エノケンのダイナ」、笠置シズ子の「東京ブギウギ」、
「ジャングルブギ」、「買い物ブギ」など、タイトルを見てるだけで胸がワクワクブギウギ
してきちゃう歌ばかりですネ。
「ジャングルブギ」の、あび、まみ、ともこによるワイルドで迫力あるダンス、「買い物ブギ」の、
美女7人による一糸乱れぬ下駄タップは午前の部の双璧といえます。
午後の部は「3丁目の夕日」の世界です。
日曜夜6時半からはじまった「シャボン玉ホリデー」をご記憶の方は多いでしょう。
高度経済成長期のテレビ文化史を、ザ・ピーナッツほか1960年代のヒット曲で綴る
2部構成のミュージカルレヴュー「シャボン玉だよ!牛乳石鹼!!」。
第1部は「スターダスト」からはじまり「牛深ハイヤ節」に至るまで、歌あり、コントあり、
CMソングあり、踊りありの多彩な内容です(第1部だけぢゃないけどネ)。
とりわけ牛深ハイヤ節は第1部の掉尾を飾るにふさわしい元気で艶やかな踊り。
いっしょに踊りたくなります。
サスペンス映画「シャレード」を観ていない方でもヘンリー・マンシーニ作曲の
テーマ音楽はご存知でしょう。
第2部は「シャレード」、「ゴッドファーザー」など映画音楽のあとに
ザ・ピーナッツのかわゆい「恋のバカンス」、
しっとりとした「ローマの雨」、赤と黒のセクスィーなダンスの「恋のフーガ」
などなどヒットメロディーがつづきます。
そして「銀色の道」。
塚田茂が作詞をしていたなんてはじめて知りましたが、なんど聴いてもすばらしい。
歌うはリーダーのゆきと民謡歌手のあゆみ。
息もぴったりにザ・ピーナッツを歌います。トリは「恋人よ我に帰れ(Lover, come back to me)」。
ゆうきがベース、あきらがドラムス。そして7人の美女全員が舞台狭しと踊りまくります。
地転、空転のアクロバティックなダンスに新体操のリボンが加わり、会場は興奮興奮また興奮。
こんなに元気としあわせを与えてくれる舞台。みなさま、年末年始は浅草に遊びませんか。
なお、「浅草昭和歌謡 虎姫一座」はゆとりちよだ常務理事の三柳さんのご尽力により、
ゆとりちよだ会員に限り破格の価格
(ワンドリンク券と入場料:通常料金¥3,500のところ¥1,800!!)
でチケットをあっせんしていただけますよ。
さあ、元気をもらいに浅草へゆこう。

 昔、代々木のNHKホールでアベル・ガンス監督の1927年製作の無声映画
「ナポレオン」を観たことがあります。
この映画は3台のカメラによって撮影され3台の映写機で上映されるとゆう
(NHKホールでも同じ方法で上映されました)、
シネマスコープやシネラマの先駆ともなる画期的な、そしてすばらしい作品でした。
ナポレオンが生きていたらこうだったに違いないとおもわせる演技をする俳優(名前を失念)。
さらに、ドゥルーズやデリダ、ブルックにも影響を与えた詩人にして演劇家のアントナン・アルトーが、
恐怖政治の代名詞ともなっている革命指導者・マラーの役を演じているんです。感激しましたね。
アルトーが動いている!
そして、生オーケストラを指揮するのがフランシス・コッポラの父親の
カーマイン・コッポラ。
映画も音楽も豪華でした。観客も豪華でしたね。司会者に紹介されて挨拶に立つ世界のクロサワ。
永六舗(ちょっと格が落ちるけど)とはトイレですれちがいました。
そして・・・あの松田優作!!!本人でしたよ。
サングラスをかけてロビーに立っていたけどすぐわかりましたね。
隣にいた女性は熊谷美由紀だったのかな。
知り合いに会ったらしく、サングラスをはずしてきちんと挨拶する姿にあたしゃ惚れましたね。
即、優作ファンになりましたですよ。
1989年日本公開のリドリー・スコット監督作品「ブラック・レイン」の鬼気迫る
殺し屋役はいまだに語り草になってるけど、
惜しい役者をなくしたと心底からおもいます(続編が観たかった)。

枕が長くなってしまいました。
そのNHKホールで新春早々「フローズンプラネットinコンサート」
公開されます。
ドキュメンタリー作品では定評のあるイギリスBBCとNHKの大型共同制作
テレビシリーズ「フローズンプラネット」。
今夏放映され、評判になったあの作品。
北極と南極とゆうふたつの極地の大自然を美しい映像でとらえたスペクタクルを
今度は大スクリーンで観ることができます。
しかも、ジョージ・フェントン作曲・指揮によるフルオーケストラの音楽つきです。
映像と生オーケストラとのコラボレーション。
あの「ナポレオン」の感動を再体験したい。これはゼッタイ観にゆかなくっちゃ。

 小松政夫とコロッケが帰ってきました。
北千住のシアター1010で上演される
「爆笑!小松政夫vsコロッケ第4弾~これでいいのかニッポン~」です。
宴会芸の王者・小松政夫とモノマネのキング・コロッケとの対決。
現代を代表するお笑い芸人ふたりの抱腹絶倒の芸を体験しに、年が明けたら、北千住へゆきませんか。

三枚目を演じてもサマになる美人女優・三田佳子と当代屈指のコメディエンヌ・藤山直美が
舞台で演技の火花を散らします。
明治座創業140周年記念として、浜町の明治座で上演される「かたき同志」です。
恋し合う若い男女の前に立ちはだかる二人の母親。さて、恋人たちの恋は成就するのでありましょうか。
それは・・・浜町へゆかなくちゃわかりませんね。

白隠慧鶴をご存知でしょうか。臨済宗中興の祖とたたえられる江戸中期の禅僧です。
近年その10000点にも及ぶ禅画が広く注目を集めており、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで
「白隠展 HAKUIN 禅画に込めたメッセージ」が開催される運びとなりました。
白隠の描く画の特徴は、なんといってもユーモアあふれる禅画であることです。
たとえば、今展のポスターにもなっている「半身達磨」。
達磨といえば法衣を着たギョロ目で髭面の厳格な僧を思い浮かべますが、白隠の半身達磨は
ギョロ目のその目の玉が上を向いており、とぼけたユーモアを醸し出しています。
そんな白隠禅師の禅画のうち大作を中心にえりすぐられた約100点が渋谷に集結しました。
全国に散在している白隠禅画を一堂に揃えた今回のような展覧会は、もう開催されないかもしれません。
白隠禅画の全貌を知るためにも、さあ、渋谷にゆこう。

 今号も魅力たっぷり「ゆとりちよだ」。ホウレンソウはリキをつけてくれましたよ。
アキバのみなさまには・・・神田のジョニーこと仁科がお持ちしました。おタノシミに。