ゆとりちよだNEWS

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N様からのご投稿, 最新情報 2014/04/14

ゆとりちよだNEWS No.109

東京の桜(ソメイヨシノ)はもう終わり。風に散るはなびらを眺めていましたら、不意に杜甫の詩句が浮かんできました。

今春看又過(今春みすみすまた過ぐ)

今年の春もみるみるうちに過ぎてゆく。いったい私はなにをやっていたのか。
と、ガラにもなくセンチメンタルな気分になっていましたら、ゆとりちよだ109号が到着しましたよ。さぁて、今月号にはどんなたのしい情報が載っておるんでありましょうか。

まずご紹介するのは池袋の東京芸術劇場で上演される京劇「覇王別姫(はおうべっき)~漢楚の戦い~」です。史上初めて中国大陸を統一した秦の始皇帝の死後、天下の覇権を争った項羽と劉邦。百戦して百勝していた猛将・項羽に対して、優れた軍師・武将たちを擁する劉邦は徐々に項羽を追い詰めてゆきます。
そして・・・垓下(がいか)の戦い。
四面楚歌となり死を覚悟した項羽は別れの宴を張り部下たちを慰労します。
その中には項羽の最愛の人・虞姫(ぐき)もいました。項羽は吟じます。

力拔山兮 氣蓋世  力は山を抜き 気は世を蓋う
時不利兮 騅不逝  時に利あらず 騅(すい)逝かず
騅不逝兮 可奈何  騅の逝かざる 奈何(いかん)すべき
虞兮虞兮 奈若何  虞や虞や 汝を奈何せん

騅とは項羽の愛馬。二振りの剣を手にし、舞う虞姫。覇王別姫のハイライトシーンです。
舞い終えるや虞姫は持っていた剣を己が喉に突き刺します。虞美人草(ぐびじんそう=ヒナゲシ)に今も名を残す美女・虞姫。
今は亡き京劇の名女形・梅蘭芳(メイ・ランファン)の当たり芸でもあります。涙なくして観られないこの場面を天津京劇院は最新の演出で上演するそうです。
どんな演出をするのかしら。タノシミですね。


 臨済宗の開祖にして建仁寺の開山・栄西禅師の800年遠忌にあたる2014年。
これにあわせ、栄西と建仁寺ゆかりの宝物が東京にやってきます。
上野の東京国立博物館平成館で開催される「特別展 栄西と建仁寺」です。
あの俵屋宗達の国宝「風神雷神図屏風」が来ますよ。尾形光琳生誕350周年を記念した「大琳派展~継承と変奏」が同じ上野で開催されたのが2008年秋。
その折、宗達の「風神雷神図屏風」のほかに光琳と抱一の描く「風神雷神図屏風」も展示されました。
あれから5年半。宗達と光琳に私たちは再会できる。うれしいですね。
巨大な風袋を両手に持った風神。輪形に連ねた太鼓をめぐらした雷神。
どこかとぼけた表情の両神は雲に乗り、今まさに嵐を呼ぼうとしている。
躍動感あふれる図はいつまで見ていても見飽きないですね。
そのほかにも、安土桃山時代の巨匠・海北友松(かいほうゆうしょう)描く重文「雲竜図」は必見です。
不気味な暗雲の中から姿を現す阿吽の双龍。全8幅のこの迫力ある雲竜図はぜひとも並べて見たいものです。
展示期間にご注意ください。そのほかにも、若冲、蕭白、芦雪と、「奇想」の画家たちの作品も展示されますよ。
これは、もう、上野のお山にゆかなくっちゃ。


 浅草虎姫一座のファンなら「エノケン・笠置のヒットソングレビュー」でお馴染み、お染久松。
笠置シズ子が質屋の娘お染を、エノケンがその店の丁稚・久松を演じて「♪不義ぢゃないないブギウギ・・・道行道行道行ぃ」なんて陽気に歌っています。
そのお染久松の恋物語。「お染の七役―於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)―」が前進座五月国立劇場公演として、隼町の国立劇場大劇場で上演されます。
物語は・・・かなり人間関係が複雑なので割愛させていただきます。で、この芝居のイチバンの見せ所。
ひとりの役者(女形)がお染・久松(!)をはじめ七役を演じるんであります。
あっとゆう間の早替わり。えっ!? いつ替わったの? どうやって? 
しかも、姿形だけぢゃなくって性格(性)まで替わっている。
そんなケレン味たっぷりのお芝居を演じますは、今や前進座の(梅蘭芳に勝るとも劣らない)立女形として押しも押されもしない位置を占める河原崎國太郎。
早替わりの妙味もさることながら、七役を演じ分ける國太郎の芸をとくとご覧あれ。


 そのほかにも表参道の青山劇場では宝塚歌劇創立100周年を記念した『セレブレーション100!宝塚」~この愛よ永遠に~が上演されます。
宝塚ファンぢゃなくっても、眞帆志ぶき、榛名由梨、初風諄の名や「ベルばら」こと「ベルサイユのばら」はご存知でしょう。
歴代のトップスターたちが勢ぞろい。宝塚の夢と憧れのステージを堪能してみませんか。
「美しい姿勢と歩き方教室」なんてのもありますよ。「凛とした体に整え ビジネスシーンにも生かせる!」そうです。
正しい歩き方はシェイプアップ効果もあるそうだから、メタボ気味のお父さんは参加したほうがいいかも。
内神田の千代田区立スポーツセンターですよ。気候がよくなってきましたね。
木更津の江川海岸でご家族いっしょに潮干狩りでもしてみませんか。
黄金のはまぐりを見つけると「地元名産焼きのり」がプレゼントされるそうです。

 今月号も話題満載、ゆとりちよだ。
アキバのみなさまには・・・経理の切り札・梅沢さんがお持ちになりました。おタノシミに。