ゆとりちよだNEWS

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N様からのご投稿 2017/01/10

会員様からのご投稿 1月号

ゆとりちよだNEWS No.142

あけましておめでとうございます。本年も「ゆとりちよだNEWS」をお引き立てくださいますよう、隅から隅までずずずい~~っと御願い奉り上げますだ。と、口上はこれくらいにして。千代田区内の中小企業に勤める人たちと家族の福利厚生を図る公益社団法人ゆとりちよだ。その事業内容は、冠婚葬祭などの給付金の支給、人間ドック、スポーツ施設、レジャー施設利用などの事業、美術館、博物館、音楽会などの割引チケットのあっせんなど、活動は多岐にわたります。その活動を発信する情報誌「ゆとりちよだ」。クラシックやジャズなど洋物の音楽関係にはほとんど縁のない生活を送ってきた身ゆえ、このNEWSで私がご紹介するのはもっぱら美術、演劇、食事関係など極私的情報に偏してしまうことをご海容願うとして・・・さぁて、今月号のゆとりちよだにはどんな楽しい情報が載っておるんでありましょうか。

まずご紹介するのは「いちご狩り&鋸山山頂・日本寺参拝と花摘み~漁師鍋にお造り天ぷらが付いた昼食:漁師料理たてやま」とやたら長いタイトルの付いたバスツアーであります。ひとつづつ片付けましょう。千代田区役所を出発。東京湾を横断する高速道路・東京湾アクアラインを走って(途中、海ほたるパーキングエリアで休憩)ノコギリの歯状の山・鋸山(のこぎりやま)へ。山頂にある日本寺(名前がスゴイね)へは高低差223mのロープウェイに乗ってゆきましょう。徐々に展望が開けるロープウェイ。東京湾が眼下に広がる雄大な景色をたのしめますね。良質な石材を産出する鋸山の山頂には岩を彫り込んだ巨大な大仏が鎮座。さらに見どころは「地獄のぞき」です。高さ100m。切り出した絶壁の上に突き出た岩盤から下を覗くと・・・こわ。でも、よくもまぁこんな高いところまで石を切り出したもんです。どうやってやったんだろ。
山を下ったら「漁師料理たてやま」で昼食をいただきましょう。お造り、野菜の天ぷらに魚介の鍋。〆はアサリご飯に海藻のかじめ汁(とろろこぶのようにネバネバです)。お腹がくちくなったところで館山いちご狩りセンターへ。契約農園で30分間いちごが食べ放題だそうです。もっとも、お腹がいっぱいなのにまだ食べられるのかしら。では、いちごに飽きたら花を求めましょうか。道の駅おおつの里の観光農園・花倶楽部でポピー、ストック、カーネーションなどの花々を摘み取ることができますよ。早春の南房総への日帰りバスツアー。ご家族でいらっしゃってみてはいかがでしょう。

日本三大仇討ちといえば、赤穂浪士の吉良邸討ち入り、曽我兄弟の富士の裾野での仇討ち、鍵屋の辻の決闘を指します。いずれも芝居や映画にもなったのでご存知の方は多いでしょう。そのうち、鍵屋の辻の決闘を描いた「通し狂言 伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)」が国立劇場50周年記念 3月歌舞伎公演として隼町の国立劇場大劇場で上演されます。弟を河合又五郎に殺された渡辺数馬は仇討ちのため姉婿の剣豪・荒木又右衛門に助太刀を要請。伊賀上野の鍵屋の辻で又五郎一行を待ち伏せし数時間の血闘の末本懐を遂げます。この仇討ちを題材にして発端から仇討ちまでを道中双六に見立てて近松半二が義太夫狂言にしたのが伊賀越道中双六。「沼津」の場が有名なのですが、この通し狂言では「岡崎」の場をクライマックスにしています。唐木政右衛門(荒木又右衛門)は最愛の一子を手にかけてまで敵・沢井股五郎(河合又五郎)の居所を探ろうとします。熊谷陣屋の直実のようにわが子を死に至らしめる父親・政右衛門を演じる中村吉右衛門がその苦衷をどのように表現するのか。一番の見どころでしょう。さあ、梅が咲いたら隼町へ参りましょうか。

先年、伊勢神宮で20年に一度の大祭「式年遷宮(しきねんせんぐう)」があったばかりですが、春日大社も負けてはいません。同じように20年に一度の「式年造替(しきねんぞうたい)」がありました。遷宮は隣の土地に全く新しく社殿を造営するのですが、造替は修理すること。社殿本体が国宝なので、傷んだところを修理したり、塗りを新しくしたり、檜皮葺きの屋根を葺き替えたりします。この式年造替を期に上野の東京国立博物館平成館で特別展「春日大社 千年の至宝」が開催されます。神護景雲二年(768年)称徳天皇の勅命により造営されたと伝わる春日大社。「平安の正倉院」と称される春日大社の至宝の数々が上野に集結しますよ。

☆蒔絵筝(まきえのこと)国宝
金銀銅を研ぎだした蒔絵で、流水文に鳥や蝶を描いています。
☆平胡簶(ひらやなぐい)国宝
 矢を入れて携帯する箙(えびら)のことです。螺鈿(らでん)で宝相華文(ほうそうげもん)が描かれています。そうとう豪華ですね。保元の乱で敗死した藤原頼長遺愛の品とか。
☆赤糸縅大鎧(あかいとおどしおおよろい)国宝
 梅鶯飾(うめうぐいすかざり)と竹虎雀飾(たけとらすずめかざり)
 後世の南蛮具足に比べると実用的ぢゃなくって美術工芸品そのものだね。
☆春日権現験記絵(かすがごんげんげんきえ)春日本
 春日大社の神々の霊験を描く全20巻の絵巻。松平定信が制作を命じたそうです。

社外ではめったに拝観できない選りすぐりの神宝・名品の数々。久しぶりに上野のお山に上りましょうか。

そのほかにも、二重橋前の三菱一号館美術館では「オルセーのナビ派展:美の預言者たち~ささやきとざわめき」が開催されます。19世紀末パリでゴーギャンの影響を受けた若く前衛的な画家たち。ポール・セリュジェ、モーリス・ドニ、ピエール・ボナール、ポール・ランソンら。ユダヤ教のナビ(預言者)の名を冠したグループは日本ではあまり知られていません(私も数名の画家以外は知りませんでした)。モーリス・ドニの時間が止まったような静謐な絵。ルナールの小説「にんじん」の挿絵で知られるピエール・ボナール。これくらいでしょうか。そんなナビ派が本格的に紹介されます。三菱一号館美術館は建物それ自体が美しいのでこれはオススメですよ。今の時期、水道橋の東京ドームでは、国内外のブランドの展示コーナーはじめ250を超える窯元・作家の販売コーナーがある「テーブルウェア・フェスティバル2017~暮らしを彩る器展~」と、3000種、10万株の蘭で埋め尽くされる「世界らん展日本大賞2017」が相次いで開催されますよ。

今月号も魅力満載ゆとりちよだでした。アキバのみなさまには神田のエスコフィエ天澤さんがお持ちになりました。おタノシミに。