秋らしい爽やかな日がつづくようになりました。
今日は朝から雲ひとつない上々天気です。
こんな日に部屋に閉じこもっているのはつまらない。
で、近くの湯島聖堂までちょいと散歩することに。
ここにはご存知のように（子宣わく）孔子を祀っている廟・大成殿があります。
偉大な儒家に敬意を払って参拝し境内を散策。
湯島台地の端に広がる境内には多くの樹木が植わっています。
針葉樹（松）も広葉樹（銀杏）も。杜（もり）といっていいでしょう。
が、黄葉にはまだかなり間があるようです。しょーがない。
黄葉になる前の（緑の）森林浴をたのしみ帰宅しましたらゆとりちよだ１２７号が届いて
いましたよ。
さぁて、今月号にはどんなたのしい情報が載っておるんでありましょうか。

まず、なにがなんでも真っ先にご紹介しなければならないのは六本木のサントリー美術館
で開催される「逆境の絵師　久隅守景　親しきものへのまなざし」展です。
久隅守景（くすみもりかげ）といってもご存知ない方がひょっとしていらっしゃるかも
しれません。
江戸時代初期の御用絵師集団狩野派の総帥・狩野探幽。
その門下四天王の筆頭と目されたほどの技量の絵師です。
ワケあって狩野派を離れ加賀藩前田家に招かれます。
金沢滞在中に多くの作品を残しますが、代表作はなんといっても二曲一隻の「納涼図屏風」
でしょう。
「しあわせとはなにか」と問われたら、久隅守景描く「納涼図屏風」だと私は答えます。
ぼんやりと浮かぶ満月の下、軒端に夕顔が茂る粗末な掘っ立て小屋の筵の上に襦袢を着て
頬杖をついた男が寝そべっています。その隣には腰巻姿の女。ふたりの間には男の子。
家族なのでしょう。なにかを眺めながらのんびりと夕涼みをしています。
ただこれだけの画です。ザッツオール。なにもない。
あるのはほのぼのとした家族の団欒のみ。物質的に恵まれているとはおもえない家族。
しかし、この絵から立ち昇る静寂のなかの幸福感。温かさ。豊かさ。ええですな。みなさま。
「納涼図屏風」の展示は１０月１０日（土）～１１月３日（火）と、えらく短い期間です。
さあ、急いで六本木に駆けつけましょう。

次におススメは、上野の国立西洋美術館で開催される「黄金伝説展　古代地中海世界の秘宝」展
であります。ところで。
「ハリーハウゼン」といってピンとくる方は若いころ（幼少のころか）彼の造形した
モンスターたちに熱狂した経験をお持ちでしょう。
人形（クリーチャー）を１コマづつ撮影するモデルアニメーションと呼ばれる技法で特撮
映画を創り、数々のモンスターを誕生させたハリーハウゼン。
古くは「シンドバッド」シリーズや、新しいところでは「タイタンの戦い」（１９８１年）
なんてのがありますね。
「タイタンの戦い」では、その目を見たら石に化してしまうとゆう怪女・メドゥーサ（髪の毛が蛇！）
なんて怖かったもンね。そんな彼の作品に「アルゴ探検隊の大冒険」があります。
ギリシャ神話に出てくる勇者・イアソンの物語です。
黒海の果てのコルキスにある黄金の羊毛を持ち帰れとの無理難題な王の命令を果たすべく
５０人の勇者たちと巨大な戦艦・アルゴ号に乗り組み苦難の旅へと出航します。
さぁて、彼らは無事黄金の羊毛を手に入れることができたのでしょうか。
それは、ま、ＤＶＤで観ていただくとして（出てるとおもうけど）。
おっと、またもやマクラが長くなってしまいました。黄金伝説展です。
アルゴ探検隊の物語にもありますように、古代地中海世界は豊かな黄金の文化が花開いた、
まさに黄金時代だったのです。４０年ほど前に発掘された黒海沿岸の町ヴァルナの遺跡。
６０００年前（！）の墓から出土した黄金の副葬品（金の杖、腕輪等々）はギリシャ神話が
伝説ではなかったことを証明してくれます。
さらには、現在のブルガリアで出土した紀元前１４世紀後半～紀元前１３世紀初頭の
トラキアの総重量１２ｋｇ（！）を超える黄金の食器類。
こんなんで食事をしたら胃もたれになりそうだな。
さらに、さらに、紀元前７世紀のイタリア中部のエトルリアから出土した精緻を極めた
金細工の宝飾品の数々。古代地中海世界にはスゴい金細工技術があったのです。
さらに、さらに、さらに、これら金製品に加えてギリシャ神話に出てくる黄金にまつわる
絵画（モロー、ルノワールなど）が展示されますよ。
モローの「イアソン」なんて観てみたいな。
みなさま、そんなワケで、この秋は、黄葉した上野のお山へ黄金見物に出かけませんか。

そのほかにも、東銀座の新橋演舞場では「舟木一夫　特別公演」が上演されます。
幕末、江戸城無血開城の立役者である勝海舟の無頼の父・小吉を演じるそうです。
昔、ＮＨＫ大河ドラマ「勝海舟」で二代目尾上松緑がきっぷのよい江戸っ子・小吉を
演じていたけど舟木はどうなのかしら。
人（にん）ぢゃない気もするけど。水谷八重子との初顔合わせですよ。

有明の東京ビッグサイトでは「第４４回東京モーターショー２０１５」が開催されます。
「きっと、あなたのココロが走り出す」をテーマに内外４０社以上のメーカーが出展する
モーターショー。どんな最新テクノロジーを披露してくれるのでしょうか。
タノシミですね。ところで、ＶＷはなにを出すのかな。
まさか違法ソフト搭載のディーゼル車ぢゃないだろね。　

今月号も話題満載、ゆとりちよだでした。アキバのみなさまには・・・
アキバのバベット、杉川さんがお持ちになりました。おタノシミに。