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N様からのご投稿, 最新情報 2015/12/10

ゆとりちよだNEWS No.129

とうとう今年も残すところひと月を切ってしまいました。
この1年間なにをやっていたのだろうか。精神的にも肉体的にも向上したとはおもえない。
それより最近の政治のように劣化が著しい。
物忘れはしょっちゅうする、ひとの名前が覚えられない、長い階段を上ると息切れがする、電車に
乗ると空いてる座席に我先に座ってしまう。こんなハズではなかったに。
と長嘆しておりましたらゆとりちよだが到着しましたよ。
そういえば、今年もゆとりちよだには大層お世話になりました。
映画、芝居、コンサート、美術展、美味しいもの等々を安く体験することができたのはひとえに
ゆとりちよだの情報とサービスのお蔭です。ありがとうございます。
ゆとりちよだ(神田錦町)には足を向けて寝られないな。
そんなワケで今号にはどんなたのしい情報が載っておるんでありましょうか。


まずご紹介するのは、上野の上野の森美術館で開催されている「肉筆浮世絵―美の競演」展であります。
「肉筆」と言ったって肉でつくった筆で描いた絵のことぢゃありません。
要するにフツーの絵。版画ではなく絵師が絹や紙に直接描いたものです。
版画と違って肉筆画はとっても珍しい。だってこの世に1枚しかないんだからね。
その肉筆画を収集した、アメリカはシカゴの日本美術のコレクター、ロジャー・ウェストン氏の100
0点を超えるコレクションの中から厳選した約130点が展示されます。
しかも、副題に「浮世絵師が描いた江戸美人100選」とあるように美人画ばかりです。
では、どんな絵師の作品が出展されているのでしょうか。
私たちの知っているところでは・・・菱川師宣、礒田湖龍斎、喜多川歌麿、勝川春草、葛飾北斎、
渓斎栄泉、河鍋暁斎、小林清親等々、錚々たる絵師たちがずらり。
しかも、今展で特筆すべきは、特別に製作された薄型の陳列ケースに1点ずつ収納して展示され
ていることです。ライトはLED照明、有機EL照明。
日本の最新技術で、髪の生え際やうなじの毛筋、薄い着物越しに透けて見える肢体など、絵師
たちの超絶技巧によって描かれた肉筆浮世絵を観に、さあ上野のお山に出かけましょう。


上方のシンガーソングライター・嘉門達夫によって「〽誰も知らない素顔の八代亜紀」と揶揄され
た八代亜紀。
それくらい厚化粧だとゆうことですが、現実の八代亜紀はそうぢゃないみたいですね。
で、その八代亜紀のコンサートがありますよ。題して「八代亜紀 コンサート2016」。
日比谷公園内にある日比谷公会堂(1960年10月12日、浅沼稲次郎社会党委員長が17歳の
山口二矢に刺殺された場所です)で。
八代亜紀は若いころ喫茶店(だったか)でウェートレスをやっていたらしい。
いつだったかテレビに出演したときその話が出ました。
彼女は相当に記憶力がよく、多くのお客のオーダーを間違えずに受けることができたそうです。
その場にいた何人かのゲスト出演者が試しに八代亜紀に注文しましたが、すらすらと答えていましたね。
そんな八代亜紀が新春を祝って歌います。さて、どんな歌を歌ってくれるのかしら。
モチロン「舟唄」はテッパンだね。
「涙恋」、「愛の終着駅」、「雨の慕情」、「もう一度逢いたい」、「おんな港町」、「雨の慕情」あたりは
歌ってほしいな。そんな私の想いが通じるのか。それは・・・行ってみなくちゃワカラナイ。


さすがに、新年を迎えるとあって「初春」のつく興行が目につきますね。しかも「白浪物」です。
白浪とは盗っ人のこと。歌舞伎には盗っ人(たち)を主人公にしたジャンルがあるんですね。
まず、東銀座の新橋演舞場の1月公演「初春花形歌舞伎」からゆきましょうか。
「弁天娘女男白波(べんてんむすめめおのしらなみ)」が舞台に上がりますよ。
「白浪五人男(しらなみごにんおとこ)」の話です。
歌舞伎を観たことのない人でもその一部は観たり聴いたりしたことがおありでしょう。
例えば、「雪の下浜松屋の場」。
きれいなお嬢さん(実は弁天小僧とゆう盗っ人)が片肌脱いで啖呵を切る「知らざあ言って聞かせ
やしょう」。あるいは「稲瀬川勢揃いの場」の日本駄右衛門(にっぽんだえもん)の「問われて名乗
るもおこがましいが」、南郷力丸(なんごうりきまる)の「さてどんじりに控えしは・・・」なんて聞き覚
えがありますでしょ。
弁天小僧に市川海老蔵、日本駄右衛門に中村獅童、南郷力丸に市川右近とゆう豪華メンバーです。
「日本のシェークスピア」と称えられる河竹黙阿弥の傑作芝居を観にさあ新橋演舞場へ行こう。


またその次に連なるは、隼町は国立劇場で初春寿ぎ演じます「初春歌舞伎公演」であります。
演し物は「小春穏沖津白浪(こはるなぎおきつしらなみ)」。
あまり聞いたことのない外題ですね、それもそのはず、1864年(元治元年)初演の芝居を2002
年(平成14年)、138年ぶりに通し狂言として復活したものを、好評を博しこのたび再演となった
のであります。
大道具・大仕掛けの演出でケレン味たっぷりの芝居のようです。
「白波五人男」に登場しました天下の大盗賊・日本駄右衛門(尾上菊五郎)、妖艶で大胆不敵な
女盗賊・船玉お才(中村時蔵)、狐の妖術を自在に操る美男の盗賊・小狐礼三(尾上菊之助)が
暴れまわる見どころ満載のお芝居だそうですよ。
これもまた原作は河竹黙阿弥。黙阿弥生誕200年を記念しての大芝居。
年が明けたら黙阿弥三昧の芝居見物をしましょうか。


さあて、どんじりに控えしは・・・今年1年をふり返って、ゆとりちよだにお世話になった(る)催しものを並べてみましょう。

・新印象派―光と色のドラマー(東京都美術館)
・マグリット展(国立新美術館)
・特別展「鳥獣戯画―京都 高山寺の至宝―」(東京国立博物館 平成館)
・クレオパトラとエジプトの王妃展(東京国立博物館 平成館)
・「うらめしや~、冥途のみやげ」展(東京藝術大学美術館)
・「逆境の絵師 久隅守景 親しきものへのまなざし」展(サントリー美術館)
・特別展「始皇帝と大兵馬俑」(東京国立博物館 平成館)
・「ルーブル美術館展 日常を描くー風俗画にみるヨーロッパ絵画の神髄」(国立新美術館)
・「肉筆浮世絵―美の競演」展(上野の森美術館)
・「都はるみ コンサート 2015」(浅草公会堂)
・藪原検校(世田谷パブリックシアター)
・「~来年からちょっとコンサートをお休みします~ 都はるみ ファイナルステージ2015 "歌
屋"はるみの集大成~最後の喝采~」(東京国際フォーラム・ホールA)

 これらはすべて私の血となり肉となっております。
ゆとりちよだのスタッフのみなさま、ありがとうございました。
来年もヨロシク。そして、佳い年をお迎えください。