ゆとりちよだNEWS

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N様からのご投稿 2017/05/08

会員様からのご投稿 5月号

ゆとりちよだNEWS No.146

職場の植え込みに咲くソメイヨシノの花が散りぼんやり新緑の葉桜を眺めていましたら、な、な、なんと、サクランボの実がぶらさがってるぢゃありませんか。直径5mmくらいか。まだ青い。でも、陽の当たる梢ではほんのり淡いピンクに染まっている実がある。このソメイヨシノが植えられたのは2004年。人の背丈くらいだった。それがはるかに人を凌駕し実を着けるまでに至ったのだ。この驚きをなんと表わせばよいのだろ。ワシらは老いる。だが桜は生きる。自然の生命力。すなわち次世代へとつなぐ命の継投。と、感動しておりましたら、ソメイヨシノは江戸時代末期にできた人工的な桜、クローンなんですね。この種を蒔いても芽は出ない。出てもそれはソメイヨシノではなく先祖がえりをしてエドヒガンザクラやオオシマザクラに近いものになっちゃうという。どうやらサクランボが実ったのは、3年前に植えられたご近所のエドヒガンザクラと交配したからのようだ。でも、なんにしてもうれしいね。熟したら食べてみようか、酸っぱいだろな。と、たのしく想像をふくらませていましたらゆとりちよだ146号が届きましたよ。さぁて、今号にはどんなタノシイ情報が載っておるんでありましょうか。

まずご紹介するのはバスツアー「群馬県川場村 悠湯里庵(ゆとりあん)でそば打ち体験と、道の駅・サクランボ狩り」であります。「そば打ち体験」なんて初めての企画ぢゃないかしら。私、うどんは時々打つのですが、そばは未体験です。水まわしと捏ねるのにかなり技術が必要と聞いています。知り合いの陶芸家によればそばの捏ね方は土を捏ねるのと同じだそうです。菊練りとかいって土の中に気泡を入れないようにして捏ねるんだとか。それを聞いただけで腰が引けちゃいました。でも、この際挑戦してみようかな。茅葺の古民家集落を移築した川場村の悠湯里庵で体験できますよ。打ったそば(たぶんぶっとい田舎そばになっちゃうだろな)は昼食の「上州すきやき御膳」といっしょにいただきましょう。お腹がいっぱいになったところで「日経プラス1 家族で一日楽しめる道の駅 」で東日本第1位に選出された群馬県川場村の道の駅川場田園プラザへ向かいます。レストラン・お食事処のほか、子供たちがよろこぶこと間違いないプレイゾーンはここのイチバンのウリでしょう。「砦」、「忍」、「ロッククライミング」なんて遊具は大人でもたのしめるんぢゃないでしょうか。川場村で生産された新鮮な低農薬野菜や果物を販売しているファーマーズマーケットを覗いてみましょう。トマト、ブロッコリ、青梗菜・・・etc. 敷地内にはブルーベリー公園があるそうだけど、ツアーの6月18日ではブルーベリーには間に合わないかな。さて、お買い物がすんだら「日本で最も美しい村」連合に加入している昭和村でさくらんぼ狩り30分食べ放題に挑戦しましょう。食べ放題といったってお昼にすきやきと手打ちそばをいただいてるんだから、ちょっとキツイかも。さあて、ここのさくらんぼはソメイヨシノのさくらんぼと比べて味はどうかしら。

次にオススメするのは、三軒茶屋の世田谷パブリックシアター開場20周年を記念して上演される「子午線の祀り」です。「夕鶴」で知られる木下順二が平家物語を題材にして描いた大作戯曲。源氏の総大将・源義経により西海の壇ノ浦まで追い詰められた平家の一族郎党。知勇ともに優れた平家の総大将・平知盛は最後の決戦を源義経に挑みます。壇ノ浦の潮流は1日に2度流れが変わる。その、西から東への流れに乗って一気に源氏勢を壊滅する作戦を立てた知盛でしたが・・・。壇ノ浦の上に広がる天球上の子午線を下弦の月が東から西へ移動したとき潮流は東から西へと激しく走り始める。このとき平家の命運は尽きた。「見るべきほどのことは見つ。今は自害せん」と鎧二領を着て入水する知盛。平家滅亡に至るドラマを流麗なセリフと、ギリシャ劇のコロスのような集団による朗読(=群読)によって荘重に描きます。昔、銀座で観ました。四国の豪族・阿波民部重能を演じる滝沢修を観たかったのですが私の勘違いで観ることかないませなんだ。ザンネン。今回の演出・知盛役は野村萬斎。義経に成河、義経を貶める梶原景時に今井明彦、軟弱な名目上平家の総大将・平宗盛に河原崎國太郎、阿波民部重能に村田雄浩、舞姫・影見の内侍に若村麻由美とゆう錚々たる配役陣です。今までに宇野重吉、観世栄夫らが演出した「子午線の祀り」。萬斎がどのように演出するのでしょうか。これもタノシミですね。

ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」が渋谷の東急シアターオーブにやってきますよ。現代ミュージカルの原点ともいわれる名作の一部を浅草虎姫一座公演でご覧になった方もいらっしゃるでしょう。音楽のレナード・バーンスタイン生誕100年記念ワールドツアーと東急シアターオーブ5周年記念公演を兼ねる本場のミュージカルは生演奏、英語(日本語字幕あり)で上演されます。Amerika,Tonight,Cool,Mariaなど耳に残る名曲の数々。さあ、この夏は渋谷でどっぷりとミュージカルに浸かりましょうか。隼町の国立劇場大劇場では「29年7月歌舞伎鑑賞教室」として、「鬼一法眼三略巻 一條大蔵譚(きいちほうげんさんりゃくのまき いちじょうおおくらものがたり)二幕」が上演されます。愛する夫・源義朝を殺した憎っくき敵将・平清盛。しかし、わが子牛若の命乞いのため常盤御前は清盛の側室となります。NHK大河ドラマ「平清盛」では武井咲がきりりと演じていましたね。春本・春画・破礼句(誹風末摘花)のネタになることが多い常盤御前ですが、彼女は一條大蔵卿とゆう公家に払い下げられます。一條大蔵卿は源氏の子孫でありながら平家打倒などは露ほどもかんがえていないよう。が、しかし。彼は仮名手本忠臣蔵の大星由良之助のような人物であったのです。で、詳しい筋を知りたい方は・・・さあ、隼町へ急ぎましょう。今日は帝劇、明日は三越。たまにはゼイタクしましょうか。有楽町の帝国劇場ではミュージカル「レ・ミゼラブル」が上演されますよ。日本初演30周年だそうです。フランスの国民作家V.ユゴー原作のこの大河小説は今までに何度も上演、あるいは映画化されました。1本のパンを盗んだ罪により19年間(!)獄につながれたジャン・ヴァルジャン。2012年日本公開映画「レ・ミゼラブル」で1832年6月のパリ蜂起のクライマックスシーンに涙した方は多いでしょう。今度は帝国劇場で感涙にむせびましょうか。

今月号も魅力たっぷりゆとりちよだ。アキバのみなさまには・・・アキバの平野レミ・隅川さんがお持ちになりました。おタノシミに。