ゆとりちよだNEWS

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N様からのご投稿 2018/08/15

会員様からのご投稿 8月号

ゆとりちよだNEWS161号

35℃を超える連日の酷暑。脳みそが茹ってぐぢゅぐぢゅになっています。が、立秋を迎えた途端、台風到来。東京は幸いなことにコースが外れてちょっぴり涼しくなったかとおもえばまたもや猛暑。ままならぬは自然と私のフトコロ。吹き出る汗を拭きながら長嘆息していましたらゆとりちよだ161号が届きましたよ。さあて、今号にはどんなたのしい情報が載っておるんでありましょうか。

まずご紹介するのは、隼町の国立劇場大劇場で上演されます通し狂言「平家女護島(へいけにょごのしま)」であります。平家打倒の鹿ケ谷の密議露見し、藤原成経、平康頼とともに鬼界ケ島へ流されました俊寛。成経、康頼は赦免されたものの俊寛のみが赦されずひとり島に取り残されます。平家物語に出てくるこのエピソードを日本のシェークスピア・近松門左衛門が人形浄瑠璃に仕立てました。題して「平家女護島」。歌舞伎では全五段、三幕四場のお芝居となります。俊寛悲嘆の見せ場二幕目「鬼界ケ島」の場が単独で上演されることが多いのですが、今年は平清盛生誕900年とあって23年ぶりの通し狂言と相成りました。筋はかなり複雑です。序幕「六波羅清盛館」では、島流しにされた俊寛の妻東屋を側女にしようとする清盛の横暴と東屋の自害を描きます。二幕目「鬼界ケ島」では平重盛の計らいにより俊寛も赦免されるのですが、なんと成経が海女の千鳥と夫婦になっておりこの千鳥の乗船を巡って俊寛は上使を殺してしまうのです。結局南極、千鳥は成経とともに船に乗り、俊寛は残ります。御赦免船が水平線の彼方に遠のいてゆく。気が振れんばかりに断腸の思いで見送る俊寛。演じる役者の技量が試される最大の見せ場ですね。三幕目は、厳島神社参詣を名目に御座船に乗って後白河法皇暗殺をたくらむ清盛と、阻止する千鳥の活躍と死を描く「敷名の浦御座船の場」。襲名後、国立劇場初出演となる八代目中村芝翫(橋之助)。清盛と俊寛の二役に挑む芝翫の芸をたっぷり味わいにこの秋は隼町にゆきましょうか。

日本最強のコメディエンヌ・藤山直美が戻ってきました。昨年2月乳がんの治療のため休業して1年8か月。待ちに待った舞台です。演し物はたぶん彼女の代表作となるにちがいない「おもろい女」。昭和初期から戦後にかけて一世を風靡した漫才コンビ「ミスワカナ・玉松一郎」。二人の出逢いからヒロポン中毒でワカナが横死するまでを描きます。伝説的といわれるミスワカナのツッコミ、玉松一郎のボケ。エンタツ・アチャコと並んで上方漫才の基礎をつくりあげた二人は、NHK朝ドラ「わろてんか」のミスリリコ・アンド・シローのモデルとなった夫婦漫才のコンビです(広瀬アリスがよかったな)。実はこの「おもろい女」は1965年に森光子と藤山寛美(!)主演でNHKから放映されたんだそうです(知りませんでした)。その天才喜劇役者・藤山寛美の娘が森光子の演じたミスワカナを演じるんですからなにが因果とゆうものか。今から胸ワクワクでっせ。父親譲りの天性の演技力で泣き笑いの世界を藤山直美はどう表現するのでしょうか。これは、もう、JR有楽町のシアタークリエへゆくっきゃないでしょ。

今月も話題満載、ゆとりちよだ161号でした。アキバのみなさまには神田のエスコフィエ・村木さんがお持ちになりました。おタノシミに。